もくじ
社交不安症は対人恐怖症
社交不安症は、人と関わる色々な状況で強い不安を感じ、日常生活に差し障りが出るようになる病気なのです。
もともとは「対人恐怖症」と言われていました。
社交不安症には、
・人前で顔が赤くなるのがこわい(赤面恐怖)
・人前で話すのがこわい(スピーチ恐怖)
・視線がこわい(視線恐怖)
・人前で文字を書くと手が震える(書痙(しょけい)
などのたくさんの症状があるのです。
社交不安症の症状
社交不安症では、人前で何かを行なうときに過度の不安を感じ、これに伴って、発汗、震え、赤面といった症状が出現します。
これによって、不安がもたらされる場面を避けるようになるのです。
学校や職場に行くことができない、家から出ることができないというような状態になると、毎日の生活に支障を来してしまうのです。
そのままにしておくとうつ病やアルコール依存症を同時発症することだってあります。
社交不安症の悪い循環のからくり
社交不安症がある人は、不安や緊張をごまかそうと自分に注意を向け過ぎると、不安や緊張がますます大きくなるのです。
そのうち、人と係わることを回避するようになると、人と接する際の不安や緊張がより一層大きくなるのです。
このようにして強い不安になる無限ループをもたらします。
社交不安症の治療には、薬物療法と認知行動療法がある
とりわけ高い効果を示すのが認知行動療法なのです。
認知行動療法は、こころの病気をもたらしている考え方の行動パターンの偏りを修正し、バランスをよくし、それによって症状をいい方向に向けるものです。
さらに、バランスのとり方を自分のものにすることでストレス対処能力が高まり、再発予防にも役に立ちます。
もしかしたら社交不安症じゃないかと思っている場合は、精神科、心療内科、メンタルクリニックなどを診てもらうことを勧めます。
社交不安症の回復に役立つ認知行動療法
人に道を聞く行動実験の一例
社交不安症がある人は最悪な事態を意識しがちだが、現実にはそうならないことをこの体験を通して学習していくのです。
まず、他の人に道を聞いたとき、最悪の場合どんなことになるかを考えてみる。
たとえば「馬鹿にされる」「無視される」などが考えられるでしょう。
次は現実に行動をした時に、本当にそういう事が起こるかどうかを自身で身をもって見極めるのである。
1 「安全行動」をしないようにする
社交不安症があると、人と目を合わせることを避けて下を向いてしまうなど、社交不安が生じる場面をさけたり、できるだけ不安を伴わないように動いてしまう。
そのような行動を「安全行動」という。
安全行動をしていると相手の反応が見えなくなる。
(そうなることで益々恐怖は無限大化するループに陥る)
〈安全行動の例→してはいけない事例〉
・相手と視線をあわせず下に目をやる
・早口でまくし立てるように口に出す
2 自分ではなく、相手に気を配ることを最優先
自分の顔が赤くなってないか、汗をかいているのかなどを気にしすぎる(自分のことに注意を向けすぎる)ことが無いように、相手の髪型や服装等を最優先で意識してみるとよい。
3 結果を見極める
道を尋ねられた人は、ほとんどのケースでは、親切に道を案内してくれて、想像したような最悪のことは起きないということを観察することができるはずである。
以上。